ソードアートオンライン小説SAO14巻感想3【アドミニストレータがキリトがあっち側の世界から来たことに気づく】
キリトとアドミニストレータ、この二人の会話、いいですね。
アドミニストレータは、キリトがリアルワールドから来たことにやっぱり気づきました。
アドミニストレータの問いかけに対し、キリトが「そうだ」と答えたときの、ユージオの反応が興味深かったです。
この辺の心境や心の動きに関しては、ソードアートオンラインの面白いところでもありますし、やっぱり小説を見ないと伝わらないので、是非とも見てもらいたいシーンですね。
アドミニストレータは、アンダーワールドの事を「わたしの世界」と言いました。
セントラルカセドラルという100階建ての超高層建築物を作らせ、そのてっぺんにいる人物であり、記憶の改ざんや抜き取りなど、記憶を自由に操れる。
悲しみや、怒りなど、感情さえも取り除ける人物なんて、リアルワールドにもいませんし、神と自負しても全くおかしくありませんが、
ここでもやっぱりキリトはキリトですね。
そんなアドミニストレータに対して、「あなたも人間だ」と言い放ちます。
アドミニストレータは、キリトに、「あなたからしたら、所詮アンダーワールド人だと思っているのかしら」という趣旨のことを言うのですが、ここでキリトがいうセリフがとってもいいです。
「いいや、むしろ、アンダーワールド人の方がよっぽど人間らしいと思ってるよ」と。
この言葉を見たときに、キリトがアンダーワールドで過ごしてきた2年間の中でいろいろなことがあったと思い返し、私はちょっと泣きそうになりました。(実際は泣いてました)
これを、アドミニストレータに言うか~、みたいな感じです。
アンダーワールドの山も川も、街も人も、あなたすら、ボタン一つで、一瞬ですべて消せる、そんな最高権限を持ったものが、外側にはいるんだ・・・
この言葉を聞いたとき、ユージオやアリスはどう思ったのでしょう。
そして、アドミニストレータはなんと答えたのでしょう。こちらもソードアートオンライン小説で是非見てもらいたい名シーンです。
この2人の会話がとっても面白くて興味深いんです。
一方は、神の権限まで到達した300年間生きた天才AI。もう一方は、アンダーワールドを作り出した神の世界から来たなんの権限も持ってない人間。
どう戦っていくのかが、本当に興味深いです。
これだからソードアートオンラインは面白いんですよね。
ソードアートオンライン小説SAO14巻感想2【キリトの記憶が改ざんされる恐怖】
アドミニストレータは、金属系武器を受け付けないという、とんでもない防御力をもっています。
これだと、ユージオの青薔薇の剣や、アリスの金木犀の剣、キリトのギガスシダーの剣が通じないことになります。
さすがアンダーワールド人界編のラスボスといったところでしょうか。
本当にどう倒すんだろう?
今だ待機しているカーディナルがカギを握っているのかもしれないですね。
それにしても、アドミニストレータの恐怖はすさまじいものがあります。
キリトはアンダーワールド内で死んでもリアル世界に戻るだけですが、
(実際には、生身のキリトはかなりやばい状態ですが、キリトは知らないので)
アドミニストレータは、死を与えずに、永遠に苦しみを与え続けることもできると、キリトは気づいています。
そしておそらく、アドミニストレータはすぐにキリトが生粋のアンダーワールド人ではないことに気が付くでしょう。
もしキリトがアドミニストレータとの勝負に敗れた場合、記憶の改ざんはすぐにでも行われるはずです。
アインクラッドから続いてきたアスナとの思い出、リーファ、シノンとの思い出、ユイ、シリカ、エジル、クライン、ユウキ、そして、アンダーワールドで出会った、ユージオ、アリス、リーナ先輩、ロニエとの思い出も、
すべて抜き取られます。
整合騎士たちが自分たちの大事な記憶を抜き取られていたように、キリトの一番大事な人たちとの思い出は即刻抜き取られるでしょう。
キリトはリアルワールド人ですが、フラクトライトはもちろん自分のものを使っていますので、アドミニストレータがキリトの記憶を抜き取れば、それはすなわち現実のキリトの記憶もなくなるということ。
これはこわい、かなり怖い。
ソードアートオンラインではたくさんの強キャラがいて、キリトはなんとか切り抜けてきましたが、記憶の改ざんをしてくるボスはいませんでした。
アスナとの思い出を失ったら、たぶんアスナは失神しちゃうくらいショックを受けるでしょうね。
また一から思い出を作ることも考えるでしょうが、それでも失うものが多すぎてショックを受けるでしょう。
そして、キリトは持ち前の明るくて前向きな性格も失ってしまいます。
やばいボスキャラです。ソードアートオンライン史上、もっともやっかいなボスかもしれません。
しかも、アンダーワールドという、アドミニストレータの独壇場みたいな世界で戦わないといけません。
ラースが使っていたシステムコマンドまでも読み取り神の領域までいったアドミニストレータと、どう戦っていくのでしょうか!?
必見です。
ソードアートオンライン小説14巻の感想、アリシゼーション・ユナイティング
ユージオは、自分が深く愛されたことがないと言っています。
でも、それは違うと思います。
幼いころはアリスに、そのあと、馬小屋を借りて下宿していた先の娘さんに、学院ではゴルゴロッソ先輩に、そしてユージオがロックを外した見習い修剣士のティーゼに。
そしてもちろんキリトに。
これだけの人に愛されていたと断言できます。
それなのに、ユージオは自分が深く愛されたことがないと言いました。
でも、自分はたくさんの人を愛してきたと。
きっと愛は、花に水をあげるように、見返りを求めず与える続けるものなんだと、アドミニストレータに言い放ちます。
こういうひと現実にもいますよね。
自分がたくさんの人から気にかけられているのに、自分はひとりぼっちだとか、自分はあまり好かれないとかいう人。
それはあなたが鈍いだけで、いろんなひとがあなたを気にかけたり好きでいたんじゃないの?って言いたくなります。
ユージオにも言ってやりたいです。
だって、ティーゼなんか、おそらくユージオの為なら命はりますし、それは、ゴルゴロッソ先輩や、記憶を取り戻せばアリスだって同じはずです。
ティーゼは、ユージオと結婚したいと思っているでしょう。
田舎の木こりだったユージオ君を、6等爵士とは言え貴族の娘さんがそう思ってくれているんですから、幸せもんですよユージオ君は。
でもそんなことにも気づかずに、自分は愛されたことがないと言った。
これに関しては、ユージオに怒りたい気分ですね。
でも、それでも誰よりもたくさんの人を愛したユージオには何も言えませんけどね。
人工フラクトライトであるAIのユージオが、愛とは何なのかを話したときには、心意<シンイ>があるアンダーワールドでは人間よりも人間らしいと思いました。
人工フラクトライトを戦闘機に搭載して戦争しようとしている人間がユージオを見たら、こんな性格の持ち主が人を殺せるなんて思わないでしょうね。
ソードアートオンラインの「アスナ」はちょっとだけ重い!?
ソードアートオンラインのヒロインと言えば、アスナでしょう。
アインクラッドでの出会いから、ソードアートオンライン小説最新刊まで、一貫してキリトを支え、励まし、助けています。
他のヒロイン候補がたくさんいるなかで、アスナは他の女子からの信頼も厚く、キリトに惚れている(惚れていた?)子達からも、アスナは好かれています。
アインクラッドでユイが現れて、ユイがアスナに「ママ」と言った瞬間に、なにかスイッチが入ったんでしょうね。
アスナが急にお母さんぽくなりました。
ユイがキリトのことをパパと呼んだからかもしれません。
スカルリーパーとの戦いの前では、キリトから「無理だってわかってるけど、アスナはここに残ってほしい」と言われたのに対し、
「それでキリト君が帰ってこなかったら、わたし自殺するよ」
とまで言い放ちます。
決意がすごいですね。
ただの女の子だったはずなのに、攻略組ナンバーワンギルドの血盟騎士団の副団長になってから腹がすわっています。
アスナは一度決意したら、いっさい曲げなそうです。
ただちょっと、重いと言われたら重いかもしれません。
アスナ自身が結構なんでもできちゃうので、付き合っている男としてはそれがプレッシャーになる可能性もあります。
わたしは、キリトとアスナは必ずくっついて欲しい派ですが、彼女にするならば、シノンやリズでも楽しい生活が送れそうだなとも思います。
シノンはクールだけど、温かみがある性格をしてますし、リズベットは細かいことは笑い飛ばしてくれそうな、周りを笑顔にしてくれる空気を作ってくれそうです。
ソードアートオンラインのヒロインみんなかわいいですよね。
でも誰か一人を選べと言われたら、やっぱりアスナなんですよね。
やっぱアスナさんってすごい。
現在、キリトパーティーと思いきや、アスナパーティーにキリトがいるって感じになってる気がします(笑)。
ユウキも生きていてくれたら、もっと楽しいパーティーだったのに、残念です。
ソードアートオンラインの魅力はどこに?それは常に死と隣り合わせ
ソードアートオンラインがここまで世界的に人気になっている理由は、
剣や魔法の戦闘が魅力的だったり、
キリトがかっこよかったり、
各キャラクターがヒロインとなるストーリーが魅力だったりするからでしょう。
そして、もうひとつ、ソードアートオンラインの魅力は「常に死と隣り合わせ」というところにあると思います。
アインクラッドでは、HPがゼロになれば、現実の体の死となるデスゲームを体験していますし、
デスガン事件の時も、ゲーム内の死が現実の死とリンクしていました。
殺人ギルドである、ラフィンコフィンは常にキリトの近くで息をひそめています。
キリトは、デスゲームをクリアーした英雄であるからこそ、ラフィンコフィンに常に狙われる立場になってしまいました。
また、マザーズロザリオ編では、ユウキが死と戦っていたように、常にキリトの周りには死というものがあります。
これが、ソードアートオンラインを魅力的にしている要因でしょう。
アリシゼーション編では、キリトは事情をしりませんが、死の淵をさまよっています。
アスナを含め仲間たちは、キリトが死ぬのではないかと必死に助けようとするのです。
アンダーワールドの中では、キリトは自身の死がただ現実に戻るだけと思っていますが、周りのアンダーワールド人の死は、その人の魂の死だと知っており、自分の命よりも他人の命を優先しています。
このことが、親友のユージオを悩ませもするのです。
ソードアートオンラインは、常に死というテーマを掲げているように思えます。
だから、小説を読んでいて切迫感が半端じゃないんです。
アリシゼーション編の後半に差し掛かると、今度は、キリトはアンダーワールド人全人口の20万人の命を背負うことになります。
キリトは常に誰かの命を背負って戦っているんですね。
それが、ソードアートオンラインの魅力なのかもしれません。